ロープラ民法Ⅰ 制限行為能力(未成年)の答案を書いてみました。
予備試験を目指す運営人が『LawPractice民法Ⅰ 総則・物権編』第1問の答案を書いてみました。
当ブログの1通目の答案です。
ブログ運営に慣れていないので、お見苦しい点あるかと思いますが、何卒よろしくお願いします。
今回は制限行為能力者(未成年)の問題。
(問題文は書籍購入の上、確認していただきたく思います)
【私の答案構成】
⑴答案構成
リンクで飛ぶと拡大できます。ただ、スマホの小さい画面で見ると見づらいかもなので、タブレットやPCブラウザ推奨です。
自分の復習の便宜上、問題提起はピンク(赤?)、理由づけは青、規範は緑、あてはめはオレンジという形で色分けしています。
⑵答案構成した感想
・小問1について
基本的には条文を当てはめる問題だと思いました。
細かいかな?と思いつつ、設問文に忠実に書いたつもりです。つまり、BはAの法定代理人として、Aの取消権を行使できる点(120条1項)、請求も可能である点も触れてます。ただ、後者については、民訴28条などにもあてはめるのが本来は正確だったりする?とかよぎりつつ、民法の問題ですし条文指摘まではしていません。訴訟上の請求に限定されてもいませんし。訴訟外ならば824本文の指摘で十分だと判断しました。
また、824但書の「同意」は答案構成の中で条文を確認する際に知りました。本件では取消権の行使は形式的には原状回復義務をAに負わせるので、同但書によれば同意を要するのかな?と。もっとも、本件では実質的にはAは原状回復義務を負わない(義務はあるが現存利益がない)ので、仮にAの同意を欠いてても例外的に許容する解釈は可能な気もしました。今回は取消権の行使に関するAの同意に関する記述はないので、問題ではないのだろうと解釈論は展開しませんでした。
などと考えていたら、『家族法』のP296を読むと「子の行為を目的とする債務が生ずべき場合」とは親が勝手に交わす子の労務契約などが典型とのことですから、どうも違う話っぽいですね。雇用・請負・委任契約あたりを想定している条文でしょうか。当然本書の解説にも触れられてはいないので、824条但書の検討は労務契約などでないかぎり不要なのでしょう。
いや、恥ずかしいですね。答案構成は復習用にストックしているので訂正し、答案は覚えてる限り、それに準じて作成していますが、自分への罰として思考過程はそのまま開示します。笑
このブログでは、こういう恥ずかしい勘違いも開示していきたいと思っています。
・小問2について
まず、今回Aは自身を行為能力者と信じさせたわけではないので、そもそも民21条の想定している事例ではないのでは?と思いました。けど本書の解説によるならば、「詐術」に該当する余地はありそうなんですかね。…ちょっとわからんですね。
けど、「行為能力者であることを信じさせるために」という文言はどうみてもあてはまらない事例に思えるのですよね。正誤はともかく、こういう迷った時に有名論点だから一応触れとこうってスタンスの方がいいのか、悩みどころです。有名なのは黙示を詐術に含むかの話だと思うのですが。
また、この点については、これが1000万円の土地ではなく、安い契約(例えばスマホアプリとかのサブスク契約など)ならどうなったんだろう?と思いました。ああいうのの契約って親権者の同意をちゃんと未成年が取ってないことも多い気がするのですが…解釈ではなく、なんかしらでうまいことクリアしてるんですかね。ちょっと気になりました。
などなどと考えていたら、こちらも『民法の基礎1 総則』のP110に思いっきり言及がありますね。
同意権者の同意があるように装うのも「詐術」と解して良さげです。笑 なので、サブスク契約も親の同意を装ったら、取り消し不可ということでしょうか。
ただ、1000万円の土地を親権者に確認なく未成年と取引するのはいくらなんでも迂闊すぎ(というか悪質?)では…ということで、ここでは同意権者の同意を装うことを「詐術」に含める解釈をした上、実質的に趣旨が及ばない相手方は保護しないという結論を取りました。ロープラの解説も要はそういうことなのかな?と思いましたが、どうなんでしょう。結局、未成年が1000万の不動産取引に及ぶ異常性がサブスク契約との一番の差異だと個人的には思います。
構成としては「詐術」に当たらないという構成ではなく、適用しないという自分的にもモヤッとした構成…なんか事情次第で「詐術」にあたったりあたらなかったりするのが気持ち悪いんですよね。適用もそうじゃんと言われたらその通りなんですが。どっちがいいんですかね、どっちでもいいんですかね。
そして、現存利益のあてはめはまあ、うん。笑
遊興費等は返還義務がないというのは毎回ちょっとモヤってしながらあてはめてます。笑
どうも納得いかないんですよね。
『民法の基礎1 総則』のP 32に詳しく書いてありますし、確かにその通りだとは思うのですが。
変な方向のインセンティブを与えちゃってるよなーといつも思います。
⑶こちらの答案構成はmindmeisterというマインドマッピングサービスで作成しています。
アメリカのサービスなので日本語がちょっと変ですが笑
使いやすいツールなので興味があれば見てみてください。
【私の答案】
⑴私の答案はこちらです。
リンクで飛ぶと拡大できます。
書いたものをそのままpdfにしてgoogleドライブで公開していますので、乱筆御免でよろしくお願いします。
⑵答案作成した感想
・ナンバリングなどはともかく、数日前に作成した答案構成は概ね再現できたかな?と思います。法定代理人として請求可能とは書けなかったですね、忘れてました。
・問題文の分量的に多いかな?とか思いつつ、予備試験と同じ70分で書いてみたんですけど、結局69分31秒でギリギリでした。それで59行なので処理スピードは上げないといけません。
・敗因その1は答案構成に時間かかりすぎました。正確には把握していませんが20ー25分くらいかかったかな?下手したら30分近くかかったかも。さらに細かく言うと、条文検索に時間が。もっと言うと、121条の2第3項後段が全然見つかりませんでした。笑 条文の頭だけを見てたら後段を見落としていたのですね。暗記も大事なんでしょうけど、「民法の構造からここら辺に絶対にあるはず」って言う自信というか、感覚というか、そういうものをしっかり身につけていけたらいいなと思っています。すげー時間かかりそうですけど。
・敗因その2は筆力(書くスピード)が足りない。1枚22行が大体15分かかってるので、せめて12分くらいまでは引き上げたいところ。10月の答練までになんとかそれくらいまで仕上げたいです。
・誤字脱字に乱筆はまあ…直せれば直したいですけど…特に字の汚さはコンプレックスですねぇ…。あまり指摘されたことはないのですが、ギリギリセーフなんでしょうか…。
・そして、「以上」を書き忘れる痛恨のミス。たぶん初めてやりました。たぶん。本当怖いわ。気をつけます。
・この問題に限っては以上ですが、本当は記述をもっとタイトにしたいです。予備試験の合格者って、必要最小限の記述で点を稼いでいる印象があって、もっと見習わないといけません。基礎を固める今は気にしすぎると良くないかもですが、その意識は常にどっかで持っておきたいです。
感想はこんなところでしょうか。長文駄文、失礼しました。
では今回は以上です。
【今回の問題に関連する予備校講座】
私が総合講義300を受講していたアガルートでは『LawPractice民法』シリーズの解説講座 も開講されてます。
私自身は同講座を受講していないものの、担当講師の方は個別指導や別の映像講座でお世話になったことがあります。説明は大変わかりやすい上に用意していただいた答案例は非常に充実したもので、大変参考になりました。
プロ講師による答案例も入手できますし、この記事を読んで同書による演習に興味が出た方は受講を検討してみるといいとおもいます。
ちなみに当ブログではこの講座で選題されたものを中心に答案を作成していきます。
【参考文献】
この記事を含めて民法の論文を作成するにあたっては、以下の記事にある書籍を参考にしています。
【関連問題】
・取消の効果(121条)→原状回復請求(121の2)という構成を取る問題
・親権(824)が絡む問題
【このブログの読み方(初めての方用)】
初めての方はまずこちらをご一読ください。答案を読んでいただく際の注意点などを詳しめに述べてます。ざっくり言うと一受験生が書く答案なので、不正確だし齟齬もあり得ます等々を書いてます。