kyouの答案

予備試験受験生が悩みながら書いた答案をpdfで(ほぼ)毎日晒していく勉強記録ブログ。答案構成のマインドマップも晒してます。内容も見てもらえたら嬉しいですが、「毎日書いてるね」と思ってもらえるだけで嬉しいです。

ロープラ民法Ⅰ 表見代理(109条2項)の答案を書いてみました。

予備試験を目指す運営人が『LawPractice民法Ⅰ 総則・物権編』第19問の答案を書いてみました。

 

当ブログの8通目の答案です。

なんか人から見てもらうまでは結構時間がかかると思っていたのですが、意外とアクセスがあってビックリしてます。さすがブログ村

どうぞ温かい目でよろしくお願いします。

前回に引き続き、代理権授与表示に基づく表見代理でした。ただ今回は109条2項、すなわち表示された代理権の範囲外の行為が問題となる事例でした。

(問題文は書籍購入の上、ご確認ください)

 

【私の答案構成】

⑴答案構成

リンクで飛ぶと拡大できます。ただ、スマホの小さい画面で見ると見づらいかもなので、タブレットやPCブラウザ推奨です。

自分の復習の便宜上、問題提起はピンク(赤?)、理由づけは青、規範は緑、あてはめはオレンジという形で色分けしています。

 

⑵答案構成した感想(2021.6.15)

・代理権授与表示の要件て結構あてはめが大事なんでは?と思いました。前回もチラッて触れたんですけど、109だけは全く代理権がないのに表見代理を成立させるので、結構説得的に事実を摘んで論証するべきでは?と思ったりしました。

・問題は先立つ代理権の授与の錯誤取消(95条類推)ですよね。この解説で初めて見た法律構成でした。学説で提唱されてるんですかね?問題になった判例を寡聞にして知りません。

面白いとは思いましたが、答案構成で論証してるようにこの立場は採りませんでした。攻防が複雑になりすぎると言う逃げの話もあるのですが、それ以前に果たして妥当かなぁ?と思うんですよね。

それは無権代理人と表見代理を成立させちゃった本人とでやりましょうよ、とまず思いました。その場合は錯誤取消云々というよりは債務不履行責任とか不法行為責任とかになるんでしょうが。

あとは錯誤取消は本人保護の構成なんでしょうが、「こんなはずじゃなかった!」という本人の事情(というか帰責性)は表見代理の中で評価されてるんでは?っていうか、そりゃあなたからしたら錯誤ですよね、っていう前提で表見代理は設計されてるんでは?と思ったんですよね。錯誤取消を認める余地があるとすると、無権代理人の相手方の負担が増大して表見代理そのものが機能不全に陥る気がしたのですが、どうなんでしょう。それよりは変な人にそれっぽい外観与えないでね、注意してね、っていう規律の方が社会全体はうまく回ると思うんですよね。どうなんですかね。

 

⑶こちらの答案構成はmindmeisterというマインドマッピングサービスで作成しています。

マインドマップ

アメリカのサービスなので日本語がちょっと変ですが笑

使いやすいツールなので興味があれば見てみてください。

 

 

【私の答案】

⑴私の答案はこちらです。

リンクで飛ぶと拡大できます。

書いたものをそのままpdfにしてgoogleドライブで公開していますので、乱筆御免でよろしくお願いします。

drive.google.com

⑵答案作成した感想(2021.6.17)

・今回も目標45分で臨んだものの、50分8秒かかりました。答案構成15分、書くのに35分。書いたのは59行なので、筆力がもう少し早かったら収まったかもです。これくらいの分量ならもっと早く答案構成しなきゃだし、時間が足りないならその中で最低限書き終えるっていうのも大事だと思うんですが。その辺は今後の課題とします。

・さて、内容面ではまず代理権授与表示の錯誤取消は全カットしました。答案構成の感想で書いた通り、私は採り得ない見解だと思うし、周りがそこまで書くかな?という考えもありました。論証集には載ってないですもんねぇ…。あとこの事案での決定的な争点になるかというとうーむ…と思いました。それよりは周りが絶対書いてくるであろう代理権授与表示、正当理由という基本的な要件のあてはめを充実を優先しました。サラッと触れて否定を1行くらいで済ますのはアリかも?とかは今思いましたが。

・さて、答案構成を終わらせ書いていった訳ですが、途中でふとヤバいことに気付きました。「あれ?これ、①X所有じゃね?」と。笑

YB間取引は多分普通に有効ですよね。で、所有権はY→Aに移る、と。で、構成はともかくA→Xと所有権が移転する余地って0か?って思いました。あんまり考えたことない事例ですけど、要は顕名をBでなくYと言っただけで他の有権代理の要件は充すんで、結論としては有効にしていい気がしたんですよね。例えば、XがA相手に何かしら請求したときにAは「いや、BがYの代理人として契約したなら俺には関係ないっしょ」っていう主張は多分通らないと思うんですよ。表見代理ではなくて、多分有権代理レベルの話な気がするんですけど。そもそも所有権者Aは交換契約の有効性をYと基本的には争わないでしょう。となると、過程はともかく①X所有は認められるんじゃないか?と思いました。

そうすると、Yとしては「私は(Bを代理人とした)AX間甲乙交換契約の当事者じゃない」とか(どういう抗弁になるんだろ?)、中間省略登記とか?その辺の話になったりするんか?と書きながら思ってしまって、若干筆が止まったんですよね。

まあ答案見て貰えば分かる通り、結論としては無視した訳ですが。笑 もはや後戻りできないくらいに書いてたし、時間もなかったので。

仮にこういう筋を辿るとすると、表見代理は出てこない…か?とも思ったんで、表題を見る限り、この問題に限っては、多分セーフではあると思う…んですが、どうなんでしょう?と、現在進行形で引っ掛かってます。笑

・あとは109条のあてはめの仕方に迷いがありますね。1項か2項かの話って、その条文の適用を1項から考えて代理権授与表示をあてはめ、その後「あ、違うわ、範囲外だわ」ってなって、2項を選択するのが本来の筋道に思えたんですよね。1項と2項の分水嶺は範囲内か範囲外かってことだと思うし、その範囲は代理権授与表示が前提なので、1項から検討するべきでは?そして、そこで代理権授与表示とその範囲は結構ちゃんとあてはめないといけないのでは?と思いました。えらい感覚的な話になりますが。

けど、そうすると私の答案のように1項と2項の要件検討が交錯するような書き方になってしまって、それは果たして読みやすいのか?いいことなのか?とも思いました。ここはもう少し考えてみます。

・その上で、委任状についてですが前回とは違って、法的三段論法は組みませんでした。時間的・紙面的コストの観点もありましたが、単純に委任状についてはあてはめで示すべきか、規範を立てるべきかが現時点で私自身固まってないというのが大きいです。

・「正当な理由」のあてはめは前回よりはマシにできたかな?と思ってます。理由づけは省いてますが最低限の法的三段論法は組めたんで。

・とはいえ、全体的にあてはめ長いですかねぇ…この辺りも上手くなりたいな。

・あと、代理に入ってくらいから、要件事実っぽく書くか、条文引用して書くべきか悩んでてて。正確にはその比率というか、バランスで悩んでるんですけど。今は原則条文引用、でも楽な時は要件事実で、ってスタンスです。代理関係は条文引用にこだわりすぎると書くの大変なんだよな、って感覚もあって。でも要件事実って間違えた時のリスク高いし、なんとなくまだ違和感があるというか。その条文から要件事実に確定していく過程も解釈論なんじゃねぇの?と思ってて、そこをすっ飛ばして天下り式に要件事実を並べるのがなんとなく嫌なんですよね。甘いんでしょうが。そして要はバランスだと思うんですが。

・前回との比較が多かったので、こちらに前回記事貼っときますね。

 

【今回の問題に関連する予備校講座】

私が総合講義300を受講していたアガルートでは『LawPractice民法』シリーズの解説講座 も開講されてます。

私自身は同講座を受講していないものの、担当講師の方は個別指導や別の映像講座でお世話になったことがあります。説明は大変わかりやすい上に用意していただいた答案例は非常に充実したもので、大変参考になりました。

プロ講師による答案例も入手できますし、この記事を読んで同書による演習に興味が出た方は受講を検討してみるといいとおもいます。

ちなみに当ブログではこの講座で選題されたものを中心に答案を作成していきます。

【参考文献】

この記事を含めて民法の論文を作成するにあたっては、以下の記事にある書籍を参考にしています。

 

kyoulaw.hatenablog.com

【関連問題】

無権代理の本人効果帰属要件の問題(表見代理

 

kyoulaw.hatenablog.com

kyoulaw.hatenablog.com

 ・無権代理の本人効果帰属(追認)の問題

 

kyoulaw.hatenablog.com

 

無権代理とみなされる問題

 

kyoulaw.hatenablog.com

kyoulaw.hatenablog.com

 

【このブログの読み方(初めての方用)】

初めての方はこちらをご一読ください。答案を読んでいただく際の注意点などを詳しめに述べてます。ざっくり言うと一受験生が書く答案なので、不正確だし齟齬もあり得ます等々を書いてます。