kyouの答案

予備試験受験生が悩みながら書いた答案をpdfで(ほぼ)毎日晒していく勉強記録ブログ。答案構成のマインドマップも晒してます。内容も見てもらえたら嬉しいですが、「毎日書いてるね」と思ってもらえるだけで嬉しいです。

『事例問題から考える憲法』第21問(憲法13条、プライバシー権)の答案を書いてみました。

予備試験を目指す運営人が『事例問題から考える憲法』第21問の答案を書いてみました。

当ブログの27通目の答案です。

今回はプライバシー情報の利用・管理行為の合憲性を問う問題でした。

型に沿って憲法を考えてくのがすこーしだけ慣れてきたかもしれません。すこーしだけですが。

今回もよろしくお願いします。

 

(問題文は書籍購入の上、ご確認ください)

目次

【私の答案構成】

⑴答案構成

リンクで飛ぶと拡大できます。ただ、スマホの小さい画面で見ると見づらいかもなので、タブレットやPCブラウザ推奨です。

自分の復習の便宜上、問題提起はピンク(赤?)、理由づけは青、規範は緑、あてはめはオレンジという形で色分けしています。

 

 

⑵答案構成した感想

・今回はプライバシー権でした。問題はプライバシー権が収集→管理→公表という過程で侵害されるところ、情報管理時点での合憲性が問われているということだと愚考しました。もっと言えば、プライバシー権憲法上保障される権利であることを前提に、公権力の情報の管理行為が果たして制約といえるのかがまずは山場ではないかと。そこでまず思い出したのは住基ネット判例でした。

この判例では住基ネットによる情報管理を合憲にしているのですが、その理由は制約がそもそもないと言ってる気がします。ここで同判例憲法上の権利を「個人情報を管理されない自由」ではなく「個人情報を濫りに第三者に開示されない自由」として設定して、制約の有無は「開示される具体的危険性があるかどうか」(=開示行為と同視できるかどうか?)で判断しているように読めるのですが、どうなのでしょう。

本文では情報管理行為が法律ではなく規則に拠っているくらいしかあてはめの事情がないので、ちょっとフワッとした認定にせざるを得ませんでした。ここに、情報管理システムの脆弱性、情報にアクセスできる者が適切に管理するような法制度などの有無などの事情がもっとあればしっかりと認定できる気がします。

なお、本書解説では実際の規則の内容や個人情報保護法の趣旨などに照らして分析しています。ただ、私は問題文にない事情を解答に折り込むのは試験対策としてはちょっと違うかな?と思い、その辺りを答案構成に織り込んでいません。実際に出題される時はもう少し詳細な事情が用意される(と願ってる)でしょうし、事情が用意されてないなら恐らくそこの問題ではない出題なんでは?と見当つけて行こうかな、と。詳細な事情の分析としては、本書の解説はとても勉強になりました。

憲法上の権利の制約を認定したので審査基準に進んだのですが、ここで権利の重要性がちょっと山でした。DNAとは科学的情報というか生体情報というか、要は個人の内心・内面に至るものではなくプライバシー外延情報であることは否定できない、と。

かと言って、審査基準を簡単に緩めるのは抵抗感がありました。試験的な実利の観点からすると(まあ、こういうことを考えるのは私の悪癖ですが)緩い基準(抽象的な合理性の有無のチェックで足りちゃう基準)でいくと、Xのすでに嫌疑が晴れてるのに情報が未だ保存(管理)されているという個別事情が拾えないんでは?と思いました。そうすると制約態様(開示される具体的危険性?)に関する事情も少ない本問ではなんとか権利の重要性を引き上げたいと考えたのですね。そこで指紋押捺拒否事件、住基ネット事件のプライバシー外延情報への評価を参考にしながら、必死こいて重要性を高める論述を試みてみました。

けど、今改めて指紋押捺拒否事件を読むと公共の福祉を前提にしてもなお結構具体的に審査してるので、判例も私が思っていた以上にこの手の生体情報に関するプライバシー権を重く見積もってるのかもしれません。わかりません。笑

そして、とりあえず「ある程度は具体的危険はあるんじゃないですか…ね?」として制約を一定程度認めて中間審査基準に持ち込みました。

・個別具体的検討ではやはり嫌疑が晴れても保存(管理)されてることはマストで触れたいと思ってます。どう見ても管理されるべき基礎がないと思うんですよね。

・やっぱり情報化社会とか遺伝子工学の発展とか、技術の進歩に伴う憲法問題はこれからもどんどん問われるんだろうなぁ…などと、雑な感想を抱きました。

完全に余談ですがNetflixオリジナルのドキュメンタリーでは、その手の先端テーマを割と扱ってて面白いっす。情報化社会だと『The Great Hack』とか、遺伝子工学だと『Unnatural Selection』とか(共に原題)オススメ。

 

こんな感じでしょうか。

近日書きます。

 

⑶こちらの答案構成はmindmeisterというマインドマッピングサービスで作成しています。

マインドマップ

アメリカのサービスなので日本語がちょっと変ですが笑

使いやすいツールなので興味があれば見てみてください。

 

【私の答案】

⑴実際の答案を書く際に作った答案構成です。答案以上に判読不可ですが、まあ、恥を晒すブログなので…。笑

drive.google.com

 

⑵私の答案はこちらです。

リンクで飛ぶと拡大できます。

書いたものをそのままpdfにしてgoogleドライブで公開していますので、乱筆御免でよろしくお願いします。

drive.google.com

なお、こちらの答案は以下の記事で書き直しております。

 

kyoulaw.hatenablog.com

 

 

⑶答案を書いた感想

・今回も70分で解いたのですが余りましたね。全体で58分26秒でした。答案構成は12分、答案作成は46分(2pで26分、11分、10分)でした。86行なんで、分量が少ないとかもないと思うんですが。謎ですね…笑

・概ね書きたいことは書けたと思います。なんかスムーズすぎて「え?憲法答案てこんな感じでいいの?」とか思いました。枠組みなんかは確かにゆるい気もしてます。

・これ、処分違憲で書くんでは?と途中で気づき、審査基準の書き振りを変えました。そこははっきり言って痛恨です。直そうにも4p目に行ってたので後の祭りでした…

・制約の認定と権利の重要性の部分は、多めに書きたかったのでボリューム感はまあいいんかな?と。権利の重要性は書きすぎたかもしれません。

・問題文には記録の抹消要件が引用されてますが、どう使うかわかりませんでした。

・こうして見ると結構穴の多い答案のような気もしてきたところです…どうなんでしょう?なんか上手く書けた手応えがなかったですね。後でもう少し検討してみます。

 

こんなところでしょうか。

今回も長文駄文、失礼いたしました。

お付き合いいただきありがとうございます。

以上です。

【今回の問題に関連する予備校講座】

私が総合講義300を受講していたアガルートでは『事例問題から考える憲法』解析講座 がリリースされてます。

私自身は同講座を受講していないものの、担当講師の方は個別指導でお世話になったことがあります。たしか関西の方で実務家もされていたと記憶しています。テキパキとした語り口で、すごくわかりやすい先生です。

この講座ではプロ講師による答案例も入手できますし、この記事を読んで同書による演習に興味が出た方は受講を検討してみるといいとおもいます。

ちなみに当ブログではこの講座で選題されたものを中心に答案を作成していきます。

【参考文献】

この記事を含めて憲法の論文を作成するにあたっては、以下の記事にある書籍を参考にしています。

 

kyoulaw.hatenablog.com

 

【関連問題】

【この演習書の他の問題の答案】

当ブログで作成した『事例問題で考える憲法』の他の問題の答案リストです。

 

kyoulaw.hatenablog.com

 

【このブログの読み方(初めての方用)】

初めての方はこちらをご一読ください。答案を読んでいただく際の注意点などを詳しめに述べてます。ざっくり言うと一受験生が書く答案なので、不正確だし齟齬もあり得ます等々を書いてます。