予備試験刑法(平成25年)の答案を書いてみました。
予備試験を目指す運営人が予備試験刑法(平成25年)の答案を書いてみました。
当ブログの66通目の答案です。
予備刑法については、こちらの書籍で復習していく予定です。
選題はいつものようにアポロさんのブログを参考にさせていただきました。(下にリンクあり)
また、答案作成後はstudyweb5さんのブログを参考にしてチェックしています。許可いただいてない(というより連絡手段が不明)のでリンクは貼りませんが、もし興味がある人は検索してみてください。すぐ見つかると思います。
問題文も例の如く法務省HPからダウンロードしました。
【私の答案】
⑴雑な感想
一つ目の行為で甲、乙、二つ目の行為で丙、甲と検討すると思うんですけど、そうするとそれぞれの分量が大事だったはずでそこをミスりましたね。バランス取るのは難しいです。少し前に書いた答案なんで、今はもう少しマシになってると信じたいなぁ。
⑵私が問題文にした書き込みと答案構成です。過去問の問題文は著作権的に問題なさそうなので掲載します。答案以上に判読不能ですが、まあ、恥を晒すブログなので…笑(作成所要時間38分)
・個人的には、甲と乙がやってる犯行の構造や共謀の射程を図を書きながら検討したのは悪いことではなかったと思ってるんですが、時間がかかりすぎましたね。この辺やり慣れたら早くなるのかなー。刑法ではあまり意識してなかったですけど、図を書く上手い下手はきっとあるので、気にしたいところ。
・構成は問題文に沿って、行為ごとに分けてから甲・乙・丙と検討しました。
・内容面
第1、行為①
1、甲の罪責
⑴1項詐欺or2項詐欺
シンプルに難しいですよね、この区別。ここは確か、判例六法でも解決できず、アガルートの予備解説かテキストをカンニングした記憶があります。下級審では振り込ませる行為は1項で処理するという傾向があるっぽいですね。理屈は自分なりに書いたのかな?たしか?
⑶私の理屈ですと、現金という財物を容易に引き出せる状態にもっていったからこそ、行為①は単に「財産上…の利益を得」た(2項)とは言えず、「財物を交付させた」(1項)と言える訳ですから、既遂は振り込み終了時点と考えるしかない気がしました。個人的にはこのケースで未遂が成り立つのは2項で検討した場合のみではないかと思うんですがどうなのでしょう。
2、乙の罪責
共謀共同正犯を切って幇助犯という流れにしました。幇助犯であろうとも事実の錯誤は問題になるだろうと考え、故意も検討してますね。不法領得の意思も忘れないようにせんと、と思ってます。
3、丙の罪責は答案では検討してません。答案構成段階では余裕があれば承継的共犯?を書こうかと思ったけど、余裕がなかったのと承継的共犯はなんか書くべき時が相当少ない気がするんですよね、感覚的に。今の私の理解では承継的共犯が認められる場合ってかなり限定的に思えてて。あんま気軽に認める(そもそも論じる)話じゃない気がするんですがどうなんでしょうか。
第2、行為②
1、丙の罪責
まずは実際に行為②をやった丙の罪責を検討しました。巷間言われている「実行行為に近い人から」というセオリーに沿った形です。
で、行為自体を分析するとATMは「人」(246条1項)ではないので窃盗で検討しました。財産犯の中における区別って一応、点がある気もするんですがどうなんでしょう。どう見ても強盗の場合とかは気にしなくていい気もしますが。
不能犯が基本書読んでもよくわからないんですよねー。規範がいまいち安定しません。でも、引き出せなかったのはたまたまやん?と思って。口座の取引停止措置が取られたのはVに息子さんからたまたま電話来たからだと思うんですよ。そういう加害者とは関係ない外部の偶発事情の有無で行為の危険なしとするのは妥当ではないんじゃないかなーなどと思いました。
2、甲の罪責
共謀共同正犯は問題なく成立しそうと思いました。
3、乙の罪責
もう答案構成時点で「ここまでは書けなそう」と覚悟してました。実際書いていません。笑
⑶私の答案はこちらです。(作成所要時間63分)
リンクで飛ぶと拡大できます。
書いたものをそのままpdfにしてgoogleドライブで公開していますので、乱筆御免でよろしくお願いします。
・分量バランスを欠いちゃいましたねー。行為②の甲に1行しかかけてないのはいくらなんでも良くないです。
3−11行目が長いっすね。単なる前提論点なので最大3行で収めたいところです。(たぶん)有名論点の背任と横領ですら私は1行なので、ここはもっとタイトにすべきでした。上で書いた『行為①は現金という財物を容易に引き出せる状態にしたと言え、単に「財産上…の利益を得」た(2項)とは言えず、「財物を交付させた」(1項)と言えるから1項詐欺を検討する』ぐらいの認定で足りた気はします。
行為②の甲についても3ー5行ぐらいでいい気はするので、4p書けるという前提ならこれで分量問題は一応解決です。(なお、4p書く筆力)
・あとは乙についての共謀共同正犯のあてはめが自分では気になります。(49ー55行目)
「充分に意思連絡をしている」は流石に漠然としすぎですよね、事情が多いので全部書くのは無理としてももう少し具体的に書くべきでした。
また、口座とキャッシュカードを甲が自分で用意したから、なぜ『共謀に基づいて…実行したとは言えない』といえるかはもう少し突っ込めたらよかったな、と思います。実際にどういう価値観で認定されるかは知りませんが、私としては振り込め詐欺という犯罪における口座とキャッシュカードとは、部屋や携帯番号以上に、犯罪手段としてとてつもなく重要で不可欠とも言える要素であるから、これが共謀の内容と異なる以上は『共謀に基づいて…実行したとは言えない』くらいまで踏み込めれば良かったな、と今読むと思います。思いつきませんでしたが。笑
再現答案や添削結果から考えると、問題となってる事案の特殊性(今回は振り込め詐欺)に踏み込んだあてはめは科目問わず評価される傾向にある気がするんですよね。そこは知識弱者の私が、知識をしっかり持ってる他の受験生に対してなんとか現場で戦える数少ないポイントだと思うので、頑張って行きたいな、と思うところです。
狙いすぎて失敗することもあるんで、それもしないようバランスを取るという対策も含めてですが。笑
こんなところでしょうか。
今回も長文駄文、失礼いたしました。
感想は以上です。
【復習のまとめ】
ここでは復習内容をまとめます。が、この問題はまだ復習してないので、後日更新します。
【今回の問題に関連する予備校講座】
私が総合講義300を受講していたアガルートでは司法試験 | 予備試験 論文過去問解析講座 がリリースされてます。
この講座ではプロ講師による答案例も入手できますし、この記事を読んで同書による演習に興味が出た方は受講を検討してみるといいとおもいます。
【予備試験の参考になるサイト】
最近、こちらのブログを良く参照しています。
(リンクの許可いただきありがとうございます!)
予備試験過去問の優先順位ランクの記事があり、こちらを参考にしつつ過去問にあたるつもりです。
【参考文献】
この記事を含めて刑法の論文を作成するにあたっては、以下の記事にある書籍を参考にしています。
【関連問題】
【予備試験答案リスト】
当ブログで作成した、予備試験過去問の答案リストです。
【このブログの読み方(初めての方用)】
初めての方はこちらをご一読ください。答案を読んでいただく際の注意点などを詳しめに述べてます。ざっくり言うと一受験生が書く答案なので、不正確だし齟齬もあり得ます等々を書いてます。