ロープラ民法Ⅰ 基礎事情(動機)の錯誤(95条)の答案を書いてみました。
予備試験を目指す運営人が『LawPractice民法Ⅰ 総則・物権編』第13問の答案を書いてみました。
当ブログの4通目の答案です。
引き続きお見苦しい点あるかと思いますが、何卒よろしくお願いします。
今回は錯誤取消。民法改正で解釈の余地が少なくなった分、正確な条文操作が求められるんでは?と想定しているところで、慎重に取り組みたいと思います。
複雑な構造の条文ですよね…
(問題文は書籍購入の上、ご確認ください)
【私の答案構成】
⑴答案構成
リンクで飛ぶと拡大できます。ただ、スマホの小さい画面で見ると見づらいかもなので、タブレットやPCブラウザ推奨です。
自分の復習の便宜上、問題提起はピンク(赤?)、理由づけは青、規範は緑、あてはめはオレンジという形で色分けしています。
⑵答案構成した感想
・やっぱり、条文構造が複雑ですよね。大きく分けて、錯誤取消の効力が発生する要件の1・2項、効力が阻止・制限される要件の3・4項に分けて理解していますが、どうなんでしょう。原告・被告の当事者の攻防が複雑で、頭が混乱しながら構成してました。笑
・『基礎事情に関する錯誤』(改正前は動機の錯誤?)の場合の1・2項の条文操作もちょっと嫌です。結局、契約内容として齟齬があるかというゴールから見ると至極当たり前の規定に思えるんですが、スタートから書かざるを得ない答案作成時は混乱しそうだなぁ…と。慣れでしょうが。条文操作としては1項あてはめ→2項あてはめとしています。具体的には失念しましたが、なにかで1項2号のあてはめの中で2項要件のあてはめをしているのを見かけた気がするんですけど…その流れをとる理由がよくわかりませんでしたが、そうする理由がなにかあるんでしょうか?ちょっとわかりませんでした。
・4項の第三者保護要件は登記とかと絡められたりするんですかねぇ…ちょっと嫌ですね。
・契約不適合責任もありますもんね。基礎事情が契約内容となっているなら、不適合責任は確かに肯定しやすそう。今回は代金返金という具体的には一つのことを検討するので穏やかですが、契約不適合っていろんなこと請求しうるから、「XはYにどのような請求をしうるか」という包括的な出題だと面倒くさそうだな、などと。というか、この設問文で契約不適合責任って書かなきゃって思えるかな?がそもそも謎だったんですよね。「錯誤を理由に…」(同書P83より引用)って思いっきり書いてあって。これ本番で出されたら、契約不適合責任までは求めてないよね?と判断しそうなんですがどうなんでしょう。
・請求権競合はいまいちわかってないです。笑 なんとなくはわかるんですけどなんか説明が見つけられず…結局、『法律学小辞典』の記載を頼りにサラッと終わらせた感じです。
・なんかグチグチと不満ばかり述べてますね、この感想…。気をつけます。笑
⑶こちらの答案構成はmindmeisterというマインドマッピングサービスで作成しています。
アメリカのサービスなので日本語がちょっと変ですが笑
使いやすいツールなので興味があれば見てみてください。
【私の答案】
⑴私の答案はこちらです。
リンクで飛ぶと拡大できます。
書いたものをそのままpdfにしてgoogleドライブで公開していますので、乱筆御免でよろしくお願いします。
⑵答案作成した感想
・今回も45分で臨みました。答案構成が13分?くらい?書くのに32分くらいかな、と思います。条文操作が大事な問題は参照する分、構成も書くのも時間かかりがちな傾向がありますね。
・筆力については32分で55行ですか。やっぱりもっと上げたいです。一朝一夕とはなかなか行かないと思うんで、焦らず、でも厳しく伸ばしたいところです。
・目的物返還と引換で請求可能というのをすっかり忘れてましたねぇぇぇ…残念です。大過ないと信じたいです。
・答案構成で言及した契約不適合責任はバッサリカットしました。(てゆーか、これが限界でした)時間的な話もあるんですけど、やっぱり問題文に錯誤取消という明示があるので、書くべきではないだろうとも思いました。ロープラの解説での契約不適合の言及(P89)は多分一般論として問題になるということを述べられていたのかな、と解釈(言い訳)して、答案では全カットしました。でも、多分そうだと思うんですよね、違うかな?
・あてはめながら思ったんですけど、本件では95条3項の2号の適用の方が妥当なのかな?とも思いました。この辺りの適用の峻別は追々確認していきたいです。
こんなところでしょうか。
今回も長文駄文失礼しました。
以上です。
【今回の問題に関連する予備校講座】
私が総合講義300を受講していたアガルートでは『LawPractice民法』シリーズの解説講座 も開講されてます。
私自身は同講座を受講していないものの、担当講師の方は個別指導や別の映像講座でお世話になったことがあります。説明は大変わかりやすい上に用意していただいた答案例は非常に充実したもので、大変参考になりました。
プロ講師による答案例も入手できますし、この記事を読んで同書による演習に興味が出た方は受講を検討してみるといいとおもいます。
ちなみに当ブログではこの講座で選題されたものを中心に答案を作成していきます。
【参考文献】
この記事を含めて民法の論文を作成するにあたっては、以下の記事にある書籍を参考にしています。
【関連問題】
・取消の効果(121)→原状回復請求(121の2)の構成をとる問題
・意思表示の問題
【このブログの読み方(初めての方用)】
初めての方はこちらをご一読ください。答案を読んでいただく際の注意点などを詳しめに述べてます。ざっくり言うと一受験生が書く答案なので、不正確だし齟齬もあり得ます等々を書いてます。
ロープラ民法Ⅰ 94条2項類推適用(意思外形非対応型)の答案を書いてみました。
予備試験を目指す運営人が『LawPractice民法Ⅰ 総則・物権編』第12問の答案を書いてみました。
当ブログの3通目の答案です。
前回に引き続き、94条2項類推適用の問題。もっとも前回は意思外形対応型と言われる事例であったのに対して、今回は意思外形非対応型と整理される事例だったかと思います。
(問題文は書籍購入の上、ご確認ください)
【私の答案構成】
⑴答案構成
リンクで飛ぶと拡大できます。ただ、スマホの小さい画面で見ると見づらいかもなので、タブレットやPCブラウザ推奨です。
自分の復習の便宜上、問題提起はピンク(赤?)、理由づけは青、規範は緑、あてはめはオレンジという形で色分けしています。
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⑵答案構成した感想
・前回も述べましたが、やっぱり94条2項は難しいです。法律に本当の意味で簡単な論点あるのか、って話もありますが。それでも他と比べて難しい気もしてますがどうなんでしょう。私は代理も苦手で、総則は全体的に難しいと言う印象。
・さて、私の場合、答案構成の大きな構図は前回と共通しています。登記抹消手続のうちの真権利者の所有権の要件が認められるか?と言う点に争点を設定したつもりです。個人的にはどんな法律論文もできるだけ同じ書き方をしたいと思っていて、今回もそれをやってみたつもりです。その方が意識としても表現としても事例の差異がより際立つのかな?と思っています。(願望を多分に含みつつ)なにより思考フローを揃えていた方が楽だと思いますし。と言う変なこだわりです。
・前回との比較でいうと、今回は意思外形非対応型ということで、判例に倣えば94条2項のみでなく110条も併せて第三者保護要件に無過失を要求すると言う結論を採る点に差異があります。これを主観要件というかはともかく(新過失論に沿えば、純粋な主観要件とはいえない?この辺りの整理もちゃんとついてないです)、私の場合はできるだけ「第三者」と「善意」を切り分けて書こうと思っているところです。この辺りのコスパの悪さ(分量が増えがち問題)は後でまとめて述べます。
・さて、結論的には意思外形非対応型は110条も併用して無過失まで要求するとして、そこまでのルートには判例は2通りの表現をしているものと整理されます。すなわち、「110条の法意に照らして」(昭和45・11・19)と「110条の類推適用により」(平成18・2・23)ですね。
結論が同じだしいいじゃんといえばそうですし、学説においても結局両方とも類推適用という立場もあるそうです。私も最初にこの論点に触れた際、後に予備試験に合格する先輩に質問したところ、「45年判決は言い間違えたのでは?」という自説を提示され、ほーん?と流したところです。
その先輩が今でも同じ見解かは確認していませんが、ともかくそれくらい微妙なところなので、どちらでもいい気が今もします。しかし、佐久間毅先生は「この見方は、両類型における真正権利者の帰責性の違いを等閑視するものであり、類推適用の意味を曖昧にし、単なる衡平判断による事案解決の恐れを生じさせると思われる」(『民法の基礎1 総則』P143より引用)という至極ごもっともなご指摘をされているので、自分なりに考えたことを答案構成で示してみました。詳しくは同書の同ページを参照していただければと思いますが、両事案には類推の基礎の有無に違いがあるということだと思われます。たぶん、きっと。
・ただ、試験の準備という意味でここでどれくらい突っ込んだ論証を複数用意するかは迷いどころです。今は規範導出までの論証を絞って事実をできるだけ拾うというのがトレンドとよく言われますし。パッと思いつくだけでも、ここからさらに転得者が出てきて、二重譲渡類似が重なるような事例(今、軽く見ただけなんで正確かは怪しいですが、旧試の昭和62年第1問とか?)の時には、そこまで書くと容量オーバーする可能性が高い気もします。ですから、うまいこと規範を抑えて、あてはめで事例の差異を示すのがいいのか?などと悩んでおります。前述の「第三者」と「善意」の切り分けもですが、暗記量のコスパ、書く量のコスパについては来年の予備試験までにいい感じのバランスを見出していければと思います。今は基本的な思考フローを整えるレベルだと思っていますので、とりあえずこれでという感じ。
・ちなみにYの過失をXが主張するとして、それは要件事実的には再抗弁になるのですかね。要件事実もちゃんと固まってないので、頑張らないとです。
・ていうか、今気づいたけど、二重譲渡類似の問題(昭和42・10・31)ってロープラで扱いないんですかね。結構重要論点だと思うんですが。久々に書きたいけどな。177条あたりで扱われるんでしょうか。まあ、とりあえず今はロープラを先に進めます。
⑶こちらの答案構成はmindmeisterというマインドマッピングサービスで作成しています。
アメリカのサービスなので日本語がちょっと変ですが笑
使いやすいツールなので興味があれば見てみてください。
【私の答案】
⑴私の答案はこちらです。
リンクで飛ぶと拡大できます。
書いたものをそのままpdfにしてgoogleドライブで公開していますので、乱筆御免でよろしくお願いします。
⑵答案作成した感想
・今日からロープラは出来れば45分で書こうと思っています。本当は35分くらいにしたいなという野望もありますが、それは追々ということで。
・今回は多分11分で答案構成して34分くらいで55行なので、筆力は依然課題として残ってると言えると思います。ちなみに今回は45分経過を示すピピピのピで「以上」を書き始めたというちょい不正行為があったことをご報告します。
・そんな感じだったので、やっぱり焦りました。今の自分の筆力ではこれくらいの分量でも45分でやるとどうしてもあてはめの丁寧さや規範の理由づけを犠牲にせざるを得ません。あてはめについては2枚目8行目〜18行目はほとんど事実を摘んだだけになってますし、過失ももう少し丁寧にやりたかったな、と。そして答案構成で言及した「110条法意」と「110条の類推適用」の差異は明示できませんでした。結論的な規範が変わるわけではないので神経質になりすぎるのもよくないとは思いますが、やっぱり書きたいことを書けなかったのは率直に悔しいですね。後半になるにつれて、字も内容も粗くなってるのは明らかなので、もう少しフラットにペース配分できるメンタルも欲しいです。
・あとはこの問題文の量ならもう少し書く量を削った方がいいんだろうなとも思いました。パッと見る限り、予備試験は大体ロープラ2題分ぐらいに私には見えていて、そうすると1題を2枚(44行)に納めないと、筆力があっても分量オーバーになるはずで。それは避けたいところです。
・今回は後半の乱筆がえげつないですね…急いでても判読できるようにしなきゃと思う次第。
また長くなってしまいました。感想書くのも結構時間かかってるので、なんとかしたいですね。楽しいは楽しいのですがやっぱり受験生なので、今後気をつけます。
では、今回は以上です。
【今回の問題に関連する予備校講座】
私が総合講義300を受講していたアガルートでは『LawPractice民法』シリーズの解説講座 も開講されてます。
私自身は同講座を受講していないものの、担当講師の方は個別指導や別の映像講座でお世話になったことがあります。説明は大変わかりやすい上に用意していただいた答案例は非常に充実したもので、大変参考になりました。
プロ講師による答案例も入手できますし、この記事を読んで同書による演習に興味が出た方は受講を検討してみるといいとおもいます。
ちなみに当ブログではこの講座で選題されたものを中心に答案を作成していきます。
【参考文献】
この記事を含めて民法の論文を作成するにあたっては、以下の記事にある書籍を参考にしています。
【関連問題】
・94条2項類推の問題
・意思表示の問題
【このブログの読み方(初めての方用)】
初めての方はこちらをご一読ください。答案を読んでいただく際の注意点などを詳しめに述べてます。ざっくり言うと一受験生が書く答案なので、不正確だし齟齬もあり得ます等々を書いてます。
ロープラ民法Ⅰ 94条2項類推適用(意思外形対応型)の答案を書いてみました。
予備試験を目指す運営人が『LawPractice民法Ⅰ 総則・物権編』第11問の答案を書いてみました。
当ブログの2通目の答案です。毎日更新予定が早くも1日空けてしまって不甲斐ないです。
内容もまだまだお見苦しい点あるかと思いますが、何卒よろしくお願いします。
今回は94条2項類推適用の問題。真権利者が不実登記を放置した事例でした。
(問題文は書籍購入の上、ご確認ください)
【私の答案構成】
⑴答案構成
リンクで飛ぶと拡大できます。ただ、スマホの小さい画面で見ると見づらいかもなので、タブレットやPCブラウザ推奨です。
自分の復習の便宜上、問題提起はピンク(赤?)、理由づけは青、規範は緑、あてはめはオレンジという形で色分けしています。
⑵答案構成した感想
・やっぱり難しいですね、民94条2項類推。民法の最初の方で出てくるのでなんとなく常識みたいな扱いされてますが、個人的にはちゃんと取り組むと民法屈指の難論点なのでは?と思ったりします。ていうか、個人的には総則は全体的にむずい。という訳で今回も本書解説や基本書読んで迷子になってました。笑
・処理としてはスタンダードな筋を辿れたのではないかと思っています。課題があるとすれば、4の法的効果のくだりでしょうか。要件事実がまだよく理解できていないので、Yの『自身は「善意の第三者」(94条2項類推適用)にあたる』という主張は要件事実的にどこに位置づけられるのか混乱してますね。Xの請求原因であるX甲所有権を障害する抗弁…??などと考えてますが、ちょっとわからんです。なので最後グチャってした処理になってます。要件事実もっと修行します。
・あとは本書解説を始め、177条との関係がいろんな本で触れられているのですが、この議論の内容も実益もまだ実感できてないのが正直なところ。大事なことっぽいのはわかるけど、事案解決にどう関係するのかピンときてない感じです。
・私の場合、いわゆる意思外形対応型と意思外形非対応型の2パターンの規範(厳密には前者は類推適用の規範だけ、後者は類推適用の規範+意思外形非対応型の規範)を用意して、その先の本人作出型などの細かい類型はあてはめで示そうかな?と今は思っているところです。今回は意思外形対応型の(作出ではなく)放置・承認したパターンだと判断して処理しました。この類型もややこしいのがこの論点の苦手なところです。
・技術的なことですが、前回よりマインドマップのパッと見の見栄えが綺麗な気がするのは気のせいでしょうか…?何が違うんだろ?(HTMLとかよくわかってない人)
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アメリカのサービスなので日本語がちょっと変ですが笑
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【私の答案】
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⑵答案作成した感想
・今回も前回に引き続き70分で一応取り組んだものの、49分57秒で終わりました。答案構成も丁寧めに検討して15分程度で済んで少し安心しました。前回は結構答案構成が制限時間を圧迫してましたので。事例的には典型的ですし、問題文も短かったので当然といえば当然でしょうか。設問も1つでストレートな出題でした。
・ただ筆力は相変わらず課題です。大体35分で49行なので、もっと早く書きたいな、と。できれば22行(1枚)を10分、少なくとも12分ぐらいには押し上げたいです。10分なら答案構成に振れる時間が相当持てるし、かなり丁寧に検討できるので加点事由になる記述も狙っていけるのでは?などと妄想してます。今考えることではありませんが。
・94条2項類推の規範の理由づけが権利外観法理!以上!としたいけど、実際書くと一言足したくなる人情が押し寄せてきてグチャグチャ書き直してしまいました。最終的にこの程度なら最初からサラッと書いとけよ、と。合格者の答案をもう少し見てみたいと思います…
・答案構成でも言及した94条2項の要件事実的な位置づけはやっぱり答案作成段階でも気になりました。X所有権を障害する抗弁だとして、登記保持権原?所有権喪失?などと乱雑に散らかった付け焼き刃の知識が頭を目まぐるしくよぎって、最終的には「対抗できない」という文言でいいか!と。①の要件不充足だから請求不可と書くべきなのか、(書いてませんが)③抗弁が認められるから請求不可と書くべきなのか。この辺りも要件事実を勉強して、合格者答案を見ながら、もっと正確にタイトに書けるようにしていきたいところです。
(ここから追記)などと考えていたら、大島先生の入門編P221を読む限り、登記保持権限ではなさそうですね。となると、94条2項による所有権喪失の抗弁ということになりましょうか。その場合、法定取得説などにも軽くでも触れた方が厳密なんですかね…また、新しい疑問が増えました。笑(追記終わり。2021.6.13)
・乱筆、誤字脱字で読みづらいのは本当に申し訳ないです…
感想はこんなところでしょうか。長文駄文、失礼しました。
では今回は以上です。
【今回の問題に関連する予備校講座】
私が総合講義300を受講していたアガルートでは『LawPractice民法』シリーズの解説講座 も開講されてます。
私自身は同講座を受講していないものの、担当講師の方は個別指導や別の映像講座でお世話になったことがあります。説明は大変わかりやすい上に用意していただいた答案例は非常に充実したもので、大変参考になりました。
プロ講師による答案例も入手できますし、この記事を読んで同書による演習に興味が出た方は受講を検討してみるといいとおもいます。
ちなみに当ブログではこの講座で選題されたものを中心に答案を作成していきます。
【参考文献】
この記事を含めて民法の論文を作成するにあたっては、以下の記事にある書籍を参考にしています。
【関連問題】
・94条類推適用の問題
・意思表示の問題
【このブログの読み方(初めての方用)】
初めての方はこちらをご一読ください。答案を読んでいただく際の注意点などを詳しめに述べてます。ざっくり言うと一受験生が書く答案なので、不正確だし齟齬もあり得ます等々を書いてます。
ロープラ民法Ⅰ 制限行為能力(未成年)の答案を書いてみました。
予備試験を目指す運営人が『LawPractice民法Ⅰ 総則・物権編』第1問の答案を書いてみました。
当ブログの1通目の答案です。
ブログ運営に慣れていないので、お見苦しい点あるかと思いますが、何卒よろしくお願いします。
今回は制限行為能力者(未成年)の問題。
(問題文は書籍購入の上、確認していただきたく思います)
【私の答案構成】
⑴答案構成
リンクで飛ぶと拡大できます。ただ、スマホの小さい画面で見ると見づらいかもなので、タブレットやPCブラウザ推奨です。
自分の復習の便宜上、問題提起はピンク(赤?)、理由づけは青、規範は緑、あてはめはオレンジという形で色分けしています。
⑵答案構成した感想
・小問1について
基本的には条文を当てはめる問題だと思いました。
細かいかな?と思いつつ、設問文に忠実に書いたつもりです。つまり、BはAの法定代理人として、Aの取消権を行使できる点(120条1項)、請求も可能である点も触れてます。ただ、後者については、民訴28条などにもあてはめるのが本来は正確だったりする?とかよぎりつつ、民法の問題ですし条文指摘まではしていません。訴訟上の請求に限定されてもいませんし。訴訟外ならば824本文の指摘で十分だと判断しました。
また、824但書の「同意」は答案構成の中で条文を確認する際に知りました。本件では取消権の行使は形式的には原状回復義務をAに負わせるので、同但書によれば同意を要するのかな?と。もっとも、本件では実質的にはAは原状回復義務を負わない(義務はあるが現存利益がない)ので、仮にAの同意を欠いてても例外的に許容する解釈は可能な気もしました。今回は取消権の行使に関するAの同意に関する記述はないので、問題ではないのだろうと解釈論は展開しませんでした。
などと考えていたら、『家族法』のP296を読むと「子の行為を目的とする債務が生ずべき場合」とは親が勝手に交わす子の労務契約などが典型とのことですから、どうも違う話っぽいですね。雇用・請負・委任契約あたりを想定している条文でしょうか。当然本書の解説にも触れられてはいないので、824条但書の検討は労務契約などでないかぎり不要なのでしょう。
いや、恥ずかしいですね。答案構成は復習用にストックしているので訂正し、答案は覚えてる限り、それに準じて作成していますが、自分への罰として思考過程はそのまま開示します。笑
このブログでは、こういう恥ずかしい勘違いも開示していきたいと思っています。
・小問2について
まず、今回Aは自身を行為能力者と信じさせたわけではないので、そもそも民21条の想定している事例ではないのでは?と思いました。けど本書の解説によるならば、「詐術」に該当する余地はありそうなんですかね。…ちょっとわからんですね。
けど、「行為能力者であることを信じさせるために」という文言はどうみてもあてはまらない事例に思えるのですよね。正誤はともかく、こういう迷った時に有名論点だから一応触れとこうってスタンスの方がいいのか、悩みどころです。有名なのは黙示を詐術に含むかの話だと思うのですが。
また、この点については、これが1000万円の土地ではなく、安い契約(例えばスマホアプリとかのサブスク契約など)ならどうなったんだろう?と思いました。ああいうのの契約って親権者の同意をちゃんと未成年が取ってないことも多い気がするのですが…解釈ではなく、なんかしらでうまいことクリアしてるんですかね。ちょっと気になりました。
などなどと考えていたら、こちらも『民法の基礎1 総則』のP110に思いっきり言及がありますね。
同意権者の同意があるように装うのも「詐術」と解して良さげです。笑 なので、サブスク契約も親の同意を装ったら、取り消し不可ということでしょうか。
ただ、1000万円の土地を親権者に確認なく未成年と取引するのはいくらなんでも迂闊すぎ(というか悪質?)では…ということで、ここでは同意権者の同意を装うことを「詐術」に含める解釈をした上、実質的に趣旨が及ばない相手方は保護しないという結論を取りました。ロープラの解説も要はそういうことなのかな?と思いましたが、どうなんでしょう。結局、未成年が1000万の不動産取引に及ぶ異常性がサブスク契約との一番の差異だと個人的には思います。
構成としては「詐術」に当たらないという構成ではなく、適用しないという自分的にもモヤッとした構成…なんか事情次第で「詐術」にあたったりあたらなかったりするのが気持ち悪いんですよね。適用もそうじゃんと言われたらその通りなんですが。どっちがいいんですかね、どっちでもいいんですかね。
そして、現存利益のあてはめはまあ、うん。笑
遊興費等は返還義務がないというのは毎回ちょっとモヤってしながらあてはめてます。笑
どうも納得いかないんですよね。
『民法の基礎1 総則』のP 32に詳しく書いてありますし、確かにその通りだとは思うのですが。
変な方向のインセンティブを与えちゃってるよなーといつも思います。
⑶こちらの答案構成はmindmeisterというマインドマッピングサービスで作成しています。
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【私の答案】
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⑵答案作成した感想
・ナンバリングなどはともかく、数日前に作成した答案構成は概ね再現できたかな?と思います。法定代理人として請求可能とは書けなかったですね、忘れてました。
・問題文の分量的に多いかな?とか思いつつ、予備試験と同じ70分で書いてみたんですけど、結局69分31秒でギリギリでした。それで59行なので処理スピードは上げないといけません。
・敗因その1は答案構成に時間かかりすぎました。正確には把握していませんが20ー25分くらいかかったかな?下手したら30分近くかかったかも。さらに細かく言うと、条文検索に時間が。もっと言うと、121条の2第3項後段が全然見つかりませんでした。笑 条文の頭だけを見てたら後段を見落としていたのですね。暗記も大事なんでしょうけど、「民法の構造からここら辺に絶対にあるはず」って言う自信というか、感覚というか、そういうものをしっかり身につけていけたらいいなと思っています。すげー時間かかりそうですけど。
・敗因その2は筆力(書くスピード)が足りない。1枚22行が大体15分かかってるので、せめて12分くらいまでは引き上げたいところ。10月の答練までになんとかそれくらいまで仕上げたいです。
・誤字脱字に乱筆はまあ…直せれば直したいですけど…特に字の汚さはコンプレックスですねぇ…。あまり指摘されたことはないのですが、ギリギリセーフなんでしょうか…。
・そして、「以上」を書き忘れる痛恨のミス。たぶん初めてやりました。たぶん。本当怖いわ。気をつけます。
・この問題に限っては以上ですが、本当は記述をもっとタイトにしたいです。予備試験の合格者って、必要最小限の記述で点を稼いでいる印象があって、もっと見習わないといけません。基礎を固める今は気にしすぎると良くないかもですが、その意識は常にどっかで持っておきたいです。
感想はこんなところでしょうか。長文駄文、失礼しました。
では今回は以上です。
【今回の問題に関連する予備校講座】
私が総合講義300を受講していたアガルートでは『LawPractice民法』シリーズの解説講座 も開講されてます。
私自身は同講座を受講していないものの、担当講師の方は個別指導や別の映像講座でお世話になったことがあります。説明は大変わかりやすい上に用意していただいた答案例は非常に充実したもので、大変参考になりました。
プロ講師による答案例も入手できますし、この記事を読んで同書による演習に興味が出た方は受講を検討してみるといいとおもいます。
ちなみに当ブログではこの講座で選題されたものを中心に答案を作成していきます。
【参考文献】
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【関連問題】
・取消の効果(121条)→原状回復請求(121の2)という構成を取る問題
・親権(824)が絡む問題
【このブログの読み方(初めての方用)】
初めての方はまずこちらをご一読ください。答案を読んでいただく際の注意点などを詳しめに述べてます。ざっくり言うと一受験生が書く答案なので、不正確だし齟齬もあり得ます等々を書いてます。